経営・会計・税務

2016年9月14日 (水)

配偶者控除

昨日は、午前中に事務所で7月決算法人の税務申告書の作成。

午後は、諸々の調べものの片づけなど。

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【配偶者控除】

配偶者控除を見直すという話、また出てきたなぁ、という感じだ。

今度は政府もだいぶ本気のようだ。

給与収入の103万円というのは、基礎控除38万円と給与所得控除65万円の合計額で、このラインまでの給与収入については、所得税がかからない。

ちなみに住民税は、基礎控除が所得税よりも低いので、103万円だと住民税はかかってくる。

しかし、いずれにしてもそのラインをはみ出た部分にだけ課税されるので、103万円を超えて収入を得て税金を納めたとしても、手許に残るキャッシュは増える。

だから103万円の「壁」というのは税制には存在しない。

そのように説明すると、納得される方が多いのだが、実際には、大企業に勤めるご主人の「配偶者手当」が同じく103万円に設定されていて、そちらが受けられなくなるので、103万円を意識する人がいるのは事実だ。

だから、トヨタだっただろうか、配偶者手当を無くした大企業があった。

国民年金の第三号被保険者の資格である130万円のラインは、そのラインを少しでも超えると年金を自己負担しなければならず、まあ、これは「壁」といっていいと思う。

要するに税制には壁はないので、わざわざ「103万円の壁」などと言って増税の議論を進めるのはいかがなものかと思う。

配偶者控除 幅広い層が納得する見直しを」(読売新聞)

今朝の読売新聞の中ほどに、青山学院大学の学長さんによる配偶者控除の解説があった。

実にわかりやすい解説で、これは憲法が保証する生存権とも関連すると書いてあった。

過去の解説記事をネットから拾ったのでリンクを貼っておきます。

働く妻、控除の重複が俎上に 「家族控除」の意味』(日経電子版)

ズバリ書かれている。

「国の本音は「法人税を減税する分の財源を捻出したい」ということではないでしょうか。単に増税するだけでは理解を得るのが難しいので、女性の社会進出が進むと言わざるをえないのでしょう。」(本文より抜粋)

安直な見直し(=増税)に異を唱えるものだったが、今朝の日本海新聞の社説も、そうした趣旨だった。

私は増税が必要なら、正面から議論すべきだと思う。

それだったら否定しないが、「女性の社会進出を促す」などともっともらしい理由を付けて、増税していく姿勢に疑問を持つ。

これも、増税のためのテクニックなのだろうか。

ちょっと残念な話だ。

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2016年6月24日 (金)

シャープの行く末は

昨日は、午前中に事務所で諸々の調べものの片づけ。

昼に向けて、鳥取市へ出発し、午後は鳥取環境大学で監査論の講義(10回目)。

夕方、事務所に戻って、残務整理。

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【シャープの行く末は】

イギリスのEUへの残留が決まりそうで、マーケットは束の間の落ち着きを取り戻すだろう。

次なる混乱の火種は、アメリカ大統領選挙か、それともFRBによる利上げの発表か、それ以外か・・。

それにしても、イギリスの国民投票の日の前日が、殺害された残留派の議員の誕生日でありその日に追悼式をするとは・・・。

殺害議員の誕生日に追悼集会」(読売新聞)

スピーチの上手なマララ氏を呼んでくる演出・・。

民主主義というのは、残酷なものだと思う。

 

シャープの株主総会が開かれたそうだ。

シャープの電卓を使ってきたユーザーの立場からも、シャープの行く末は気になるところだが、傍目から見て、どんどんヤバくなるように見える。

鴻海会長、シャープ酷評「悪い卵しか産まぬ鳥はいらん!カットすべき人はカットする」「金持ちの息子みたいな社風」』(産経新聞)

「リストラはしない」と言って、結局することになったし、出資額は値切るし、「悪い卵しか産まない鳥」などという従業員をバカにしたようなたとえも平気で使う。

この人の下で働く人はやる気なくすのではないだろうか。

産経新聞だから、こういう表現になっているのかもしれないので、他紙もチェックしてみる。

シャープ株主総会、鴻海傘下入り承認 株主からは不満も』(朝日新聞)

登録していないので全文読めないが、朝日も株主からの不満を率直に伝えているようだ。

シャープ、鴻海との交渉に批判集中 「最後」の株主総会』(日経新聞)

日経新聞も詳細に伝えているが、どうも良い雰囲気ではなかったのは間違いなさそうだ。

すでに人材が、日本電産などに流れているそうだが、シャープの遺伝子は、むしろこうした企業が受け継いでいくことになるのだろう。

残念ではあるが、これまで作り続けてきた「打ちやすい電卓」のように、良い物を作る文化はどこかで引き継いでいってほしいものだ。

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2016年6月 1日 (水)

綱渡り経営

昨日は、午前中に顧問先を3軒訪問して、決算に関するご報告など。

午後は、別の顧問先を1軒訪問して、当面の経営課題についてのご相談など。

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【綱渡り経営】

前々から、この会社危なっかしいな、と思っているのがソフトバンクグループ。

かつて、ボーダフォンを買収して、収益の柱に仕立て上げた手腕は大したものだが、アメリカで買収したスプリントについては、「失敗」との声もあるようで、大企業になってもなお、屋台骨が揺らぐほどの買収劇に打って出る孫社長は、成功すればヒーローだが、決してマネできるものではない。

ソフトバンク、アリババ株を一部売却へ 総額8700億円』(日経新聞)

スプリントに関する報道が頭に残っている中で、こういう報道があると、やっぱり資金繰りが厳しいのかな、と思う。

しかし、逆に言えば、過去にアリババという中国一のインターネット通販サイトへの投資が大きく実を結んだから、スプリントを買収する体力がついた。

アリババ株の32%を保有していて、今回の売却で28%まで持ち株比率がさがったということだが、上手に資金化すれば十分なキャッシュが手に入る。

事業はいろいろあれども、ソフトバンクの本質は「投資会社」であり、だからこそつきまとう「危なっかしさ」なのだろう。

以前から孫社長は、「インターネット財閥を作る」と公言してきた。

資本主義の仕組みと特徴を見抜いて行動しているところが、孫社長のすごいところだろう。

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2016年5月12日 (木)

リーガルマインド

昨日は、朝から鳥取市内の法人を訪問して、会計監査の仕事。

夕方、米子に戻り、顧問先を1軒訪問して、決算に関するご報告など。

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【リーガルマインド】

例のパナマ文書は、世界を揺るがすスキャンダルになっているが、あの手の事件は、「誰が」、「どういう意図で」流したのかがポイント。

この事件によって利益を得る人たちの仕業だろうが、その筆頭はやっぱりアメリカかな。

世界のタックスヘイブンを潰して回っているのはアメリカだろう。

スイスの秘密口座もアメリカの圧力で開示されるようになった。

日本もそれに乗っかるかたちで、日本の国税当局は、OECDの中でタックスヘイブンの問題解明の先頭に立っているようだ。

さえ、ホリエモンこと堀江貴文氏が、このパナマ文書の問題について、「法律違反じゃなきゃ、別に問題ないじゃん」と話して、少々、物議を醸しているという。

堀江貴文「モラルがゼロ」パナマ文書問題に自論述べ炎上』(NIFTYニュースより)

条文に書いてなければ、それで問題なしという考えは、実は甘い。

ちゃんと作られた法律には、直接書いてなくても、間接的に「ダメ」としてあることはよくあること。

民法2条の信義則とか、3条の「権利の濫用はこれを許さない」とか、包括的に行動を規制する条文は、ちゃんとした法律には書いてある。

ましてや、英米のような慣習法の国では、書いてあるかどうかよりも、社会通念上、よろしくないことはやってはいけないとなる。

税の問題は、合法であってもうまく逃れる方法があると、それは「不公平」だということになるので、「書いてないことはやっていい」という考え方でいると、痛い目にあうことがある。

法律を理解するには、いろいろな事例にあたって、リーガルマインドを養うしかないのだろうが、そういうものだと思う。

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2016年4月13日 (水)

タックスヘイブン

昨日は、午前中にご来客が1件あり、新規案件のご相談など。

午後は、顧問先の方が来所され、諸々の税金相談など。

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【タックスヘイブン】

綴りがよく似ていて勘違いするが、タックスヘイブン(租税回避地)は、ヘブン(天国)ではない。

じゃあ、日本のように税の重い国家は、タックスヘル(租税地獄)か、ということになるが、「ヘイブン」は回避地というヘブン(天国)とは別の単語になる。

タックスヘイブンの中ではもっとも有名と思われるケイマン諸島を使って、世界各国の富裕層が租税回避を行っている実態が、パナマから漏れた文書(=通称、パナマ文書)によって明らかにされた。

ケイマンは昔から有名なタックスヘイブンで、名前だけは知っているが、そんなところ自分で使ったこともなければ、顧問先に紹介したこともない。

日本に居住していて、日本の税を逃れたいと思えば、もはや国籍を外国に移すことくらいしか方法が無いのだが、こと自社株ということになれば、税率の低い、あるいは税の無い国の外国人に安値で買い取らせ、その国で保有し続ける、なんてことをすれば、合法的に逃れることは可能になる。

それなりの委託料を払うことになろうが、税金よりははるかに安いということが、タックスヘイブンを使う動機になるのだろう。

日本の企業もケイマンを使っているところは多いようで、今回のパナマ文書によると、出ていただけで約50兆円もの税金の取り漏れが発生していたという。

こうした租税回避地を使う人からすれば、これらは「合法」なのだから、「脱税」ではなく「節税」なのだと言いたいところだろう。

ただ、すでにこの問題でアイスランドの首相が辞任するなど、世界に波紋が広がっているが、英米などコモンロー(慣習法)の国では、いくら法律に定めがなくても、世間的に許されざる行為については厳しく断罪される。

日本でも50兆円もの税収が取り漏れているとするならば、もはや庶民から消費税を引きあげて税を負担させることの大義が崩れる。

その反発をおそれてか、日本ではこのパナマ文書の取り扱いが、極めて自重している感がある。

いっそのこと、日本もあらゆる税率を大きく引き下げて、タックスヘイブンにしてしまえば、かえって潤うことだろう。

例えば法人税を無くせば、法人はもっとたくさんお金を日本に残すことになるだろうし、法人税でメシを食っている公務員も別の部署に配置転換できるから、人手不足の解消にもなる。

まあ、そういうのは夢でしかないが、そういう意味で税というのはその国のポリシーが出るから、おもしろいともいえる。

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2016年4月 8日 (金)

非常采配の帰結

昨日は、会計監査の仕事で米子市内の法人を訪問。

終えてから、顧問先を1件訪問して、当面の経営課題についての討議

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【非常采配の帰結】

いつにも増して、今朝は時間をかけて新聞を読んだ。

広島カープ出身の前田健太が、ドジャースの投手としてデビュー戦で大活躍したからというのもあるが、やはりセブン&アイの鈴木会長が辞任したニュースにくぎ付けになっていた。

現社長をクビにして、古参の副社長を社長に昇格させる人事案が、取締役会で否決され、その人事案の責任を取るかたちで辞任した。

そのあたりのいきさつは、今朝の日経新聞にも載っているが、昨日、行われた鈴木会長の記者会見の全文が日経ビジネスオンラインにあったのでそちらを参照してください。

セブン会長、引退会見で見せたお家騒動の恥部」(日経ビジネス:無料で読めますが、メールアドレスを登録しないと読めないかもしれません)

好業績を続けるセブン&アイグループだが、私にはずっと引っかかっていたものがあった。

鈴木会長の非常な経営手法だ。

セブンイレブンの利益率の高さは、およそ小売業のものではない。

コンサルタント業としてのものであり、その分はフランチャイズからロイヤリティとして吸いあげたものだ。

全国各地のフランチャイズから、大小さまざまな不満の声があっても、好業績を続ける鈴木会長が君臨する限り、それは切り捨てられてきたように思う。

一方で、イトーヨーカドーの方は、改革が遅れ、鈴木会長は退任の記者会見の中で「お荷物と呼ばれてきた」と表現した。

ここに鈴木会長が長年抱いてきた思いが現れている。

創業家の伊藤家の起こしたイトーヨーカ堂がずっと目の上のたんこぶだったのだろうということだ。

セブンイレブンは確かに鈴木会長が興した会社ではあるが、当初にイトーヨーカ堂から出資を受けて作った会社で、セブンイレブンジャパンはイトーヨーカ堂の子会社だった。

その状態を脱出して、親会社、そして創業家の影響力を排除しようと資本政策を組んできたのが鈴木会長で、現在の社名である「セブン&アイ」つまり、セブンイレブンが先で、イトーヨーカ堂は後というのも鈴木会長の思いが現れている。

ちなみに、子会社のセブン銀行も、設立当初は「アイワイバンク」という社名だった。

「アイワイ」は言うまでもなく、イトーヨーカ堂のイニシャルだが、これは「セブン」に変えた。

さらに、ご自身の子息をとんとんと出世させ、やがて鈴木家で世襲が起きるという懸念が、おそらく今回の人事案の背景にあったもので、それが否決されたということではないだろうかと思う。

こうした長年の創業家に対する非常采配が、積年の怨念となり、このたびの辞任に追い込まれる事態につながったのではないかと思う。

今の時点では、鈴木会長側からのコメントしかない状況だが、これからこの辺りの周辺取材が進み、いろいろと話が出てくるだろう。

セブン&アイグループには、創業家の次男さんがすでに取締役として控えていらっしゃるが、ちょっとやりにくくなったかもしれない。

そもそも「小売業」は、庶民の生活と密接につながりがあり、そんなにぼろ儲けできる業態ではない。

それを、フランチャイズをかますことによって、膨大な利益が上がる仕組みを作り上げた鈴木会長の手腕は立派だとは思う反面、どこから利益を吸い上げているかを考えれば、その非常な経営手法にはおのずと限界がくることだろう。

それが、このたびの会長の辞任劇で顕在化するのかどうか。

その辺りが、次の注目点だろう。

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2016年3月30日 (水)

マジックワード

昨日は、会計監査の仕事で、朝から鳥取市内の法人へ。

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【マジックワード】

少しでも子孫に財産を残そうというのが親の心というものなのだろう。

この仕事していると、節税に関する相談は引きも切らないのだが、節税に決定的なものは無い。

勉強すればするほど「無い」ということがわかってくる。

勉強すればするほど、税法を作った大蔵省主税局の優秀さがわかる。

勉強すればするほど、「泣く子と地頭にはかなわない」といった平安時代の地主たちの思いがわかってくる。(地頭は現代の税務署のようなもの)

節税に余地があるとすれば、個人なら税の安い国に移住して、日本人をやめること。

法人なら、税の安い国に現地法人を作って、移転価格税制をフル活用すること。総合商社みたいに。

キャッシュフローの改善する節税は、そんなものしか残っていない。

あとの節税は、「キャッシュフローが悪化するもの」が多いので注意が必要だ。

『「マンション節税」防止 高層階、相続税の評価額上げ』(日経新聞より)

高層マンションの上の方の階は、眺望の良さから売買の実勢価格が低層階よりも高くなりがちなのを利用して、相続税法上の評価額との差額を利用した節税が流行っていた。

それも下火になったそうだが、一つにはこうした節税策には、だいたい当局のメスが入るのでいたちごっこになるということ。

もう一つは、そもそも高層階に住みたいのならともかく、節税のためだけに物件を購入するのは、確かに「節税」にはなっても、良い条件で転売できなければ、キャッシュを失うことがある。

「節税」は、ある種のマジックワードで、幻想に満ちた、この言葉を使えば営業がうまくいく魔法の言葉のようなものだ。

節税という言葉が営業マン氏から出てきたときは、身構えて注意するくらいのリテラシーは現代人に必要なことだろう。

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2016年2月26日 (金)

トムキャット

昨日は、朝から確定申告の無料相談の担当で、会場の米子コンベンションセンターに詰めていた。

夕方に終わってから、中海テレビへ行き、週末のテレビ番組の打ち合わせ。

その後に事務所に戻って、諸々の仕事の片付け。

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【トムキャット】

昨日は、確定申告の相談会場で、いろいろな方の確定申告に関するご相談や申告のお手伝いをした。

2月15日から3月15日までの1か月間だが、ちょうど中ごろに差し掛かった時期で、会場に訪れる納税者の方の人数は、いつもより少なかったような気がする。

寒い一日だったこともあったかもしれない。

ちかごろは、確定申告会場に来ていただくと、その申告は大概、国税庁のe-taxによって行うことになる。

パソコンに向かって納税者の方の所得などを入力して、税金を計算してくれ、申告までできる。

しかし、昨日、私が担当したブースのパソコンで不具合が発生し、しばらく何もできなかった。

こういうときは、パソコンというのはかえって不便だ。

以前のように手書きなら、こういうことは起こらないのだが・・。

会場にいた税務署の担当者に、パソコンの不具合を伝えて見てもらったら、その担当者の方が「あっ、トムキャットが立ち上がっていないっ!」と言った。

「(なにっ? トムキャット??)」

私の頭の中に?マークがたくさん点いた。

なぜなら私の知っているトムキャットは、「ふられ気分でロックンロール」という1980年代に流行ったポップスの名曲を歌ったトムキャットしかないからだ。

あの妙に頭に残るフレーズと音楽。

確定申告会場で、トムキャットのことで頭がいっぱいになって、ついグーグルで検索してしまった。

国税庁のシステムは、こちらだろうか?。

Tomcatとは」(言葉バンクより)

私のブースのパソコンは、再起動してこのトムキャットを立ち上げて、難なく元に戻った。

それより、「ふられ気分でロックロール」が聴きたくなったので、Youtubeで調べたらあった。

なつかしい。

昨日は、国税庁のトムキャットでロックバンドのトムキャットを思い出した1日だった。

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2016年2月 8日 (月)

借金のコンロール

金曜日は、午前中に確定申告の仕事。

午後から顧問先の方が来所され、当面の経営課題についてのご相談。

夕方の4時から、ダラズFMにて金ダラDXの経済コーナーに出演。

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【借金のコントロール】

借金についてどう考えるかは、事業をしていくうえで、あるいは普段の生活の中で大切なことだとは思うが、それを学ぶ機会というのは限られる。

経営者だけでなく、住宅ローンを借りるときは個人であっても借金とそれに見合う資産のバランスに配慮する必要はあるだろう。

芸能界では、その表舞台が派手なだけに、裏でいろいろな苦労をしている人たちも多いようだ。

阿部寛も不動産投資失敗の過去が!?「莫大な借金を返済」した芸能人たち』(週刊大衆)

俳優の阿部寛は、バブル期の不動産投資で大きな借金を背負ったのだそうだ。

その額は数億円で、それを完済するのに20年ほどかかったという。

記事によれば、他にも明石家さんまや、「今でしょ!」でブレイクした林先生も借金で苦しんだ過去があったとのこと。

華やかな表舞台とは裏腹に、いろいろな過去があったのだろう。

職業柄、たくさんの経営者と借入金の問題については話をしてきたが、「身の丈」というのが実はとても難しい。

借金は会計用語で、別名「他人資本」ともいい、要するに人の金なわけだが、これをうまく使うと企業は大きく飛躍する反面、失敗すると、ときに身の丈を超えた大きな負債を抱えることになる。

自分の金だけしか使わないならば、リスクは無いものの、リターンもそれなりに留まるわけで、借金をうまく使った人が、結果的に事業を大きくできる。

このバランスがなかなか難しい。

金融業では、ALMといって、資産(アセット)と、負債(ライアビリティ)を適切にコントロール(マネジメント)する考えがあるが、これは、一般の事業会社や個人であっても必要な考えだろう。

ある女性経営者が、昔、私にこう言った。

「私は借金していた方が、やる気が出るのよ」と。

なるほどと思った。

教科書的にはALMは大切な概念だが、実際には、借金の力を原動力にして自分を追い立てて、そして自分の実力を最大限に引き出すこともあるだろう。

上記の芸能人も、並外れた活躍を見せているが、その背景には追い立てられて奮起したことが“芸の肥やし”になっていたのかもしれない。

借金は会計だけの問題ではないことがよくわかる事例だ。

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2016年1月21日 (木)

源泉徴収という仕組み

昨日は、午前中に事務所で11月決算法人の税務申告書の作成など。

昼を前後して、商工会議所青年部の四役会と理事会に出席。

午後は、顧問先を1軒訪問して、当面の経営課題についての話し合い。

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【源泉徴収という仕組み】

昨日の20日は、小規模事業所では源泉徴収税の納期限だった。

年末調整からここまでの時期は、会計事務所はかなり忙しくなる。

しかし、「源泉徴収税」という仕組みは、日本の徴税の仕組みとして、実によくできていると思う。

最近、この源泉徴収について税務署のチェックが厳しくなっているという噂については触れないが、この仕組みを知らないと経営者は痛い目に合うということだけは知っていて損はない。

従業員に対する給与なら別に問題は起きづらいのだが、例えば建設業で一人親方を下請で雇う場合には、微妙な線が出てくる。

「外注業者」として源泉しない場合は、きちんと契約書類を整えておくことは、必須である。

飲食店などのサービス業で臨時的に雇用するアルバイトスタッフなどに、日当払いする場合に金額が大きくなる場合は十分な注意が必要である。

うっかりミスで取り漏れると、その納税義務は会社側にあるところが、この源泉徴収税という仕組みのミソだ。

最終的な税の負担者はあくまで個人だから、「会社は別にいいだろう」と思っていると、それが間違いの元だ。

「税の負担者と納税義務者が異なる」のが源泉徴収という仕組みであり、もし、取り漏れた後に税務調査などで指摘を受けると、とりあえず会社が納付することになる。

その納付した税金を当の個人から後で徴収しようとしても、すでに連絡が取れなくなっていたりすることもよくあることだ。

そうなると、結果的に個人で負担すべきものを会社が負担してしまうパターンもあるので、源泉徴収税というのは本当に注意しないといけない。

諸外国では、納税者自らが確定申告して税を納めるという仕組みをとっている国が多いようで、よく日本でも「納税している自覚を促すためにも、全員が確定申告する仕組みが必要」という論者がいるが、まあ、そんなことは日本では起こらないだろう。

そんなことをした途端に、税収が減ることを国税はよくわかっている。

そして、源泉徴収という仕組みが、徴税のためによく考えられた仕組みであることも、立法側はよくわかっている。

日本の場合、確定申告する人の少なからぬ人が、源泉徴収税のとられすぎの「還付」を受けるための申告になっている。

源泉徴収税というのは、やや多めにとるように設定してあるので、年末調整で戻る人が多いのもそのせいだ。

ということは、確定申告が必要なのにしない人の中には、本当は還付が受けられる人も少なくないはずだ。

要するに、合法的にやや取りすぎているのが源泉徴収税であり、ここがうまいことできているなと思うところでもある。

まさに「取れるところから取る」という税の仕組みであり、よくできているだが、この仕組みを知らないと、経営者は後で大変な目に会うので要注意だ。

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