昨日は、午前中に顧問先を訪問し、決算に関する打ち合わせなど。
午後は、事務所で5月決算法人の税務申告書の作成。
ご来客が1件あり、事業承継に関するご相談。
夕方は、経済同友会の会合。
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【ベネッセが教えてくれる現代社会に必要な教育】
ベネッセの個人情報流出は、史上最悪の流出事件となるだろう。
個人情報の中でも、子供の情報というのには非常に価値があり、大人になってその家を巣立つまで、ダイレクトメールなどで教材などの宣伝ができるというのもある。
しかも親子の名前がセットで漏れたので、悪人の手に渡れば、誘拐にも使えるかもしれない。
ヤフーあたりが漏らしたような、どこかの誰かがネット上で適当に登録した真偽不明の個人情報などに比べると、ベネッセの流出させた情報には、質、量ともに価値がある。
ゆえに、史上最悪の流出事件となる。
かく言う私の家にも、ベネッセからの謝罪の手紙が届いた。
子供がやりたいと言って始めた教材だが、いろいろと楽しめる工夫がしてあり、遊び感覚で勉強できるのは、ベネッセのノウハウだろう。
最近は、タブレット端末が配布され、ネット経由で教材がダウンロードされてくる仕組みまで備え、まさにゲーム感覚で子供は勉強を楽しんでいる。
私は別に、私や子供の個人情報がどこかの誰かに漏れたからといって、ほとんど何とも思っていない。
「原田会長は就任早々、難儀な問題で気の毒だな」とか、「もしかして、そのために雇われた?」、それとも「創業家のしっぽ切り?」
というくらいにこの事件の背景を推察しながら、傍観している。
原田会長の置かれた立場を考えると、あの人の振る舞いにはなかなか興味深いものがある。
『「わび状一枚で済ますのか」 保護者に怒りと不安』(産経新聞より)
この保護者のように、怒りと不安を覚える気持ちはわからなくもない。
しかし、現代社会において、個人の情報がどこかのだれかにまったく漏れないなどということがありうるのだろうかと、私は逆に思う。
また、一度どこかに漏れた情報は、記録媒体に違法にコピーされまくって、完全に消え去ることはない。
もはや、そんな世の中だよ。
「ひどい!」とか言って、いちいち憤っていたら、現代社会ではやっていけないさ。
『「退会依頼3000件来ている」 原田会長一問一答」(産経新聞より)
今から退会してどうすんだろう?
もう、情報漏れちゃってるよ(苦笑)。
「情報は漏れない」と思っているから、怒りを覚えるのだろう。
それはもっともと思う反面、法律への誤解があるとも思う。
個人情報保護法は、個人の情報を守る法律というより、個人情報を扱う業者や公務員の責任を範囲を定めて、その責任を限定してやるための法律だと思っている。
だから、この法律では、「盗んで転売してやろう」と悪意を持った人間からは、その情報を守ることはできない。
いつだったか、年金の未納問題があったときも、興味本位で担当の公務員たちが芸能人などの個人情報にアクセスして、未納であることが判明したりしたこともあった。
悪用した人間を厳罰に処すことが大切で、それによって抑止を図るしかないだろう。
「個人の情報は漏れるもの」
しかも、価値ある情報ほど漏れやすい。
いずれにしても、この前提で、自分の身を守る術を教えてやることが、現代社会に必要な教育だと思う。
どこかから送られてくるダイレクトメールについては、さっさと捨てればいいだけの話。
そのような安直な営業には、こちらも安易に乗らないこと。
子供にはそう教えてやればいい。
子供たちには、こんな世の中でもきちんと安全に渡っていくことのできる術を身に付けてほしいし、皮肉にも個人情報を漏らしたベネッセがそれを教えてくれる。
さすが、教育産業!
もちろん皮肉だが、事件からも学ばせてくれるのは間違いない。
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