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2006年4月 5日 (水)

「日本で一番使える節税の本」

Dsc00294 「日本で一番使える節税の本」 佐々木道康著(2006年1月30日ブックンマン社)

帯に「税理士、公認会計士が教えてくれない! 税金急減の超秘策集」と書いてあったので、私も勉強させてもらおうと思って買ってみた。著者は専門家ではなく「財務コンサルタント」と名乗っておられるが、専門家でない人が専門家を出し抜いて立派な本を書かれることは優れたことだ。

しかし、この本はそうではなかった。「税理士、公認会計士が教えてくれない!」とは、営業上のコピーに過ぎないことがわかった。

例えば「諸悪の根源として、減価償却という制度がある」(P128)と述べ、固定資産が購入支出時に全額損金算入できないことをもって税法を批判している。しかし、それでは世界はおろか、日本でも通用しない議論である。会計上の減価償却という制度をよく理解したうえで、税務に対して批判を行わないと、だれも著者の意見に耳を傾けないだろう。

また、「出張時の日当を多目に出して、ポケットマネーを捻出」という趣旨の記述がある(P94)。「年間50日の出張で150万円くらいは非課税で社長の小遣いが捻出できる」とあり、あきれてしまった。日当はあくまで実費を賄うためという名目で、常識の範囲内で支出されるものである。ポケットマネー捻出のためにそういう出張旅費規程を作れば脱税だろう。著者が見つからなかったのは単に金額が少ないからであって、見つからなかった実績をもって「節税策」として出してくるところが素人談義なのだ。

私はこのブログの読書日誌で、他人の著作を批判しないようにしている。なぜなら、自分が知らないことなどたくさんあるし、無知な人間が他人の労作をいっちょまえに批判するのは恥ずかしいことでもあるからだ。

しかし、この本は「税理士、公認会計士が教えてくれない!」と、専門家に挑戦状を叩きつけておいて、中身は専門家のはるか下のレベルであるから、このブログの読者に対する警告の意味も込めて、そして専門家のプライドをかけて批判をさせてもらう。

この本は無謀な無免許運転といわざるを得ない。

ちなみに有能な税理士やコンサルタントを雇う責任は経営者自身にあることを申し添えておく。資格とは、その仕事をすることができる免許に過ぎず、腕がいいか悪いかは、資格を取った後の勉強いかんによる。世の中には、いろいろな“専門家”がいるので、経営者自身がよく見極めたうえで、専門家を活用する必要がある。

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コメント

著者のコンサル実績1000社というのも大嘘でしょう。
メール一通、電話一本のやり取りも数えて、想像であげただけかと・・・。

それより前にそんな優れた節税方法があるなら、本で公表せずコンサル業に徹した方が儲かるが。

投稿: 坂本信吾 | 2009年4月 4日 (土) 11時31分

坂本様
コメントをありがとうございます。
節税に関しては、職業柄、一通り目を通していますが、満足のいく完璧なものはありません。

東大法学部を優秀な成績で卒業した官僚たちが、積み重ねてきた税法の体系を甘くみてはいけないと思っています。

ほんのちょっとかじっただけで、節税を発見したかのごとく書く人は、勉強が足りないだけなのです。

投稿: 伊木隆司 | 2009年4月 4日 (土) 21時58分

佐々木道康が経営する飲食店で働くものですが、本の内容は当たり前のことして書いてないですし、やってることは1つの店に会社を2つ作り税金を誤魔化すレベルの低い会計士です。
青山プラチナ倶楽部という交際倶楽部で利益を出して、赤字店を黒字計上したり外注したことにして、内縁の妻の会社をつかい脱税。
ほんとに頭の下がる悪党会計士です。

投稿: 関 勝二 | 2017年9月14日 (木) 03時42分

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